日記 (H2402)

これまで数詞に関していろいろ議論してきましたが、 一応納得ができる形に落ち着きました。 全貌はシャレイア語論にまとめてあります。 この日記では、 経緯などを踏まえつつ簡単にまとめるとともに、 私のお気持ち表明をしておきます。

まず、 数詞の用法そのものについてです。 関連する日記は以下の通りです。

H1176
数詞が形容詞に, 基数と序数の区別は名詞で
H1419
個数の表現と回数の表現に一貫性がない
H2152
単位が基数をとるのは意味的に奇妙
H2234
単位が直接基数をとると時刻表現が不便
H2365
最終的なまとめ

最終的に、 H2365 に書かれている通りのものを採用しました。 ただし、 基数と序数を表していた il’ic’ は、 綴りを変更して al’ac’ にしました。 理由としては、 例えば il’ は今回の変更で avôl ile lêk の縮約形になったわけですが、 lêkl を縮約形に残すのは良いとして、 2 単語目の ilei を残すより、 最初の単語である avôla を残す方が自然だろうと感じたためです。

次に、 数量っぽいものを表す助接詞の lale の使い分けについてです。 関連する日記は以下の通りです。

H1265
la の用法の列挙
H1309
la の数によって抽象的な表現を具体化する役割を le として分化
H2236
lale の用法が曖昧

最終的には、 以下のようにしました。 まず le については、 最初の目的通り、 数を明示することで 「大きい」 などの抽象的な表現を具体化する役割をもちます。 基本的に、 非動詞修飾形となり、 後ろに単位名詞 + 数詞の形を伴い、 程度を表す形容詞 (稀に zîk のような名詞) を修飾します。 一方で la は、 tal を伴って回数を表す役割と、 動作の規模を明示する役割の 2 つをもつことにしました。 動作の規模を明示するとはどういうことなのか曖昧ですが、 これについては例文をいくつか挙げて説明しようと思っていて、 そのために la を使えばこういう表現ができそうという例を集めているところです。 適宜、 辞書の la の項目に例文を追加していこうと思います。 lale と明確に違うのは、 la は一般助接詞なので、 形容詞などではなく動詞を修飾するという点です。

その次は、 日時表現についてです。

H1452
tef ic’18 は 「18 時」 ではなく 「18 時台」
H1869
時間と時刻で単位の順番が異なる
H2234
「秒」 などが単位だと時刻を序数で表せない

日付の表現には、 これまでと同様に序数を用いることにしました。 その代わり、 「年」 と 「月」 と 「日」 に対応するシャレイア語の単語が、 通常の意味のものと単位として使うものの 2 つに分かれました。 時刻の表現は一新して、 専用の名詞である tat を用いることにしました。 これまでは時刻にも序数を用いていたので、 H1452で指摘されているように、 「18 時」 と言ったつもりが 「18 時台」 の意味になってしまうという非直感的な部分がありましたが、 表現方法の変更によりこれがなくなりました。 詳しいことはシャレイア語論を見てください。

実はここだけがまだ完全には納得ができてません。 まず tat ile tef 18 のような言い方がちょっと冗長かなと感じます。 tat ile の縮約形として t’e みたいなのを導入しても良いかなとも思っています (なんか te t’e tef 18 とかになって言いにくそうですが)。

最後に、 「以上」 や 「以下」 の表現についてです。 これは H2236 で述べられている通り、 le の代わりに levolede を用いることにしました。

長かったですが、 数詞に関してはこれで一応解決です。 執筆が止まっていた入門書も執筆を再開しています。