日記 (H4741)

H4735 から引き続き、 弱子音の変換規則についてです。

前回は、 音節頭の弱子音が消失するときに、 全体の音の長さを保つために直前の子音を重子音化するという変更を提案しました。 しかし、 追記に書いたように、 この変更には不満もあります。

ということで、 今度は逆に、 弱子音が消えるときに音の長さを保とうとはせず、 どんどん語形が短くなっていく方向にしていくことを考えてみます。 現状、 音節末にある弱子音は直前の母音を長音化させますが、 これをやめてみます。

一番影響があるのが、 間弱語根の D2 型体言かなと思います。 活用表は次のようになります。

кате̄п (√к-й-п, D2-е 型)
現.能現.受過.能過.受
三.定.赤кее̄пдо̄кее̄пкее̄пандо̄кее̄пан
三.定.青кее̄подо̄кее̄покее̄пнодо̄кее̄пно
三.不定.赤акее̄падо̄кее̄пакее̄панадо̄кее̄пан
三.不定.青акее̄поадо̄кее̄поакее̄пноадо̄кее̄пно
二.赤секее̄пседо̄кее̄псекее̄панседо̄кее̄пан
二.青сокее̄посодо̄кее̄посокее̄пносодо̄кее̄пно
一複.赤баӈкее̄пбандо̄кее̄пбаӈкее̄панбандо̄кее̄пан
一複.青баӈкее̄побандо̄кее̄побаӈкее̄пнобандо̄кее̄пно
一単.赤икее̄пидо̄кее̄пикее̄панидо̄кее̄пан
一単.青икее̄поидо̄кее̄поикее̄пноидо̄кее̄пно
分.赤кее̄рапдо̄кее̄рапкее̄рпандо̄кее̄рпан
分.青кее̄рподо̄кее̄рпокее̄рпанодо̄кее̄рпано

若干短くなりすぎて変化として不自然な気もしたんですが、 表層形でも母音連続の間には接近音が入るので、 каййе̄пкее̄п は /kaj.jeːp/ → /ke.jeːp/ となってるだけなので、 そんなに不自然でもないかもしれません。 もともとの語形は ке̄е̄п なので、 むしろこの方が間延びしてなくて良いかもしれません。