シャレイア文字と転写

シャレイア語は、 「シャレイア文字 (Shaleian script)」 と呼ばれる独自の文字体系をもつ。 しかし、 これは創作された架空の文字体系であるため、 Unicode などの既存の文字コードには収録されておらず、 コンピュータ上で入力したり表示したりするのが難しい。 そこで、 シャレイア文字それぞれに既存の文字を対応させ、 シャレイア文字を記す代わりに対応する既存の文字を記すという方法が用いられることが多い。 この表記を 「転写 (transliteration)」 と呼ぶ。

転写による表記は、 シャレイア文字をコンピューター上で扱う目的の他に、 シャレイア文字に慣れていない初学者に対して文章を読みやすくする目的でも用いられることもある。

文字の改定

シャレイア文字は H2138 (グレゴリオ暦 2017 年 11 月 29 日) に一度改定されており、 この文法書に記載されているものは改定後の文字である。 この改定以降は基本的に改定後の文字が利用されるが、 改定前のデザインを引き継いだ場合などで改定前の文字がそのまま用いられることもある。 改定前の文字についてはこの文法書では触れないため、 文字変遷の過程を参照すること。

アルファベット

#SHV.基本形

シャレイア文字は音素文字であり、 1 つの文字に 1 つの音素が対応している。 この対応関係については #SSI に記載されている。

以下に、 シャレイア文字の基本字母 25 字の一覧を示す。 表の中央がシャレイア文字の形を表し、 左上のラテン文字はその転写を表す。 シャレイア文字には複数の書体があり、 書体ごとに各字母の標準的な形は異なるが、 以下では最も基本的とされる 「シフ体」 という書体での形を示す。

シャレイア文字は、 ラテン文字等と同じくベースライン, ミーンライン, ディセンダー, アセンダーの概念をもつ。 文字形の基本部分はベースラインとミーンラインの間に収まり、 文字によってはそこから下にはみ出るディセンダーや上にはみ出るアセンダーをもつ。

z, d, g, v, b, q, j, r, m, h に共通して見られる縦線は 「変音符 (transphonetic mark)」 と呼ばれる。 変音符はあくまで文字の一部であり、 独立した記号として見なされることはない。

一部の文字にはダイアクリティカルマークが施されることがある。 これについては #SSK で触れる。

#SHP.定高形

アルファベットには、 以下に示す形もある。 この形は 「定高形 (isohypsal form)」 や 「大文字 (capital letter)」 と呼ばれ、 これに対して通常の形は 「基本形 (basic form)」 や 「小文字 (small letter)」 と呼ばれる。

文字の具体的な形は考案中です。

定高形は、 ベースラインからアセンダーまでを占め、 文字によらず全て同じ高さで書かれる。 ディセンダーはもたない。

定高形は、 文字が単語の音素を表すためではなく記号として使われるときに用いられる。 例えば、 「主語を S で表すことにすると」 という表現における 「S」 は、 /s/ という音素を表しているのではなく変数という記号として使われているが、 このようなときに定高形が用いられる。 また、 ロゴやサイン等で装飾目的で用いられたりすることもある。

数字

#SHB.基本形

数は 10 進法によって数えられるため、 数字は全部で以下に示す 10 字ある。 表の中央がシャレイア文字の形を表し、 左上のラテン文字はその転写を表す。 数字にも書体の区別があるが、 以下では最も基本的とされる 「シフ体」 という書体での形を示す。

数を表記する際は、 dev al’6ben ac’12 のように数字が用いられることもあれば、 dev al’aricben ac’atisetqec のように数の読みがアルファベットで綴られることもある。 数の表記法については #SPN を、 数の読みについては #SPM#SPA を参照すること。

#SHC.定高形

数字には、 以下に示す形もある。 アルファベットと同様に、 この形は 「定高形 (isohypsal form)」 や 「大文字 (capital letter)」 と呼ばれ、 これに対して通常の形は 「基本形 (basic form)」 や 「小文字 (small letter)」 と呼ばれる。

文字の具体的な形は考案中です。

文章中における数字は、 基本形も定高形もどちらも用いられる。 ただし、 1 つの文書内で基本形と定高形を混在させることはない。

ダイアクリティカルマーク

#SHQ.基本形

a, e, i, o, u の 5 つの字母には、 以下のように 3 種類のダイアクリティカルマークが付けられることがある。 表の中央がシャレイア文字の形を表し、 左上のラテン文字は転写を表す。

ダイアクリティカルマークがあるものとないものは異なる文字として扱われ、 同一視されることはない。 しかし、 少数の例外的な単語に現れる場合を除き、 ダイアクリティカルマークの有無で表す音素は変化しない。 なお、 文字と音素の対応については #SSI を参照すること。

#SHX.簡略化や省略

3 種類のダイアクリティカルマークの有無および種類は厳密に区別され、 通常の文章においては簡略化されたり省略されたりしない。 しかし、 文書の題字やロゴなどで文字に特別な装飾を加える場合に限り、 ダイアクリティカルマークが簡略化されたり省略されたりすることがある。

ダイアクリティカルマークが簡略化される際は、 3 種類のダイアクリティカルマークが全て水平な横線もしくは点に置き換えられる。 この簡略化がなされている箇所では、 ダイアクリティカルマークの有無のみが区別され、 ダイアクリティカルマークの種類は区別されなくなる。

転写の代用表記

#SSK で述べたように、 シャレイア文字の転写には âá のようなダイアクリティカルマークが付けられたラテン文字も用いる。 これらの文字が技術上どうしても入力できない場合は、 以下の表に示すような代用表記が用いられることがある。 ただし、 技術上不可能でないのであれば正式な転写を用いることが強く推奨されている。

正式代用
â (U+00E2)aa
ê (U+00EA)ee
î (U+00EE)ii
ô (U+00F4)oo
û (U+00FB)uu
á (U+00E1)ai
é (U+00E9)ei
í (U+00ED)ie
à (U+00E0)au
è (U+00F8)eu
ì (U+00EC)iu
ò (U+00F2)oa
ù (U+00F9)ua
ʻ (U+02BB)