#TTF.時制
動詞語素に由来する語について、 それがどの時間における動作や状態を表しているかを分類したものを 「時制 (tense)」 と呼ぶ。 以下の 2 つの時制のみが区別される。
- 現在時制 (present tense)
- 過去時制 (past tense)
時制は、 動詞語素が動詞として用いられたときの屈折によって義務的に明示される。 逆に、 屈折によって義務的に時制を明示するのは動詞だけであり、 動形容詞や動名詞は単独では時制に関して中立である。
現在時制は、 「現在」 と名が付いてはいるものの、 現在の出来事だけでなく未来の出来事や習慣的な出来事も表す。 そのため、 より実態に即するならば、 「非過去時制」 とでも呼ぶべきものである。 しかし、 用語の判別のしやすさを考慮して、 ここでは 「現在時制」 と呼ぶ。
続くセクションで、 各時制の具体的な用法について詳説する。
#TKV.時制の用法
#TTV.現在時制
#TTP.現在
現在時制は、 その文が産出された瞬間において成立している出来事を表す。 ある瞬間での事象を表すため、 必然的にその動作が進行中であるか完了した後の状態を表していると解釈される。 どちらであるかは文脈や動詞により、 例えば ту̂л 「知る」 や заҕи̂л 「眠る」 などは完了相的に解釈されることがほとんどである。
- Бори̂с хе̂дди.
- 彼女はあそこで泣いている。
- Заҕи̂л лоселсу̂рочеду̂ко.
- 彼はリビングで眠っている。
1 と 2 では、 動詞が現在時制形で現れている。 これらの文が現在の事象を表しているならば、 1 の бори̂с は、 「泣いている」 という進行中の動作を表していると見なすのが自然である。 一方で 2 の заҕи̂л は、 「眠ろうとしている途中である」 という進行相で解釈するよりは 「眠っている」 という動作完了後の状態を表していると解釈するのが自然であろう。
動詞は動作の反復も表し得る。 そのため現在時制によって、 動作の反復が文の産出の瞬間に進行中であることが示されることもある。 また、 規則も当事者によって何度も守られる一種の反復と考えられるため、 現在時制によって、 何らかの規則が文の産出の瞬間に適用されていることが表されることもある。
- Икаххи̂з лози̂макке лоди̂ссаре.
- 私は 4 時に起きる。
- Ѐ лоҕу̂ззе ансожу̂т лу̂цаз лени̂сасса.
- この建物では全員靴を脱ぐことになっている。
3 の икаххи̂з は現在時制形であるが、 これが未来ではなく現在を表しているとするならば、 「4 時に起きるという習慣が現在も継続中である」 と解釈するのが自然である。 なお、 後述するように現在時制は未来を表すこともあるので、 「次に来る 4 時に起きる予定だ」 という解釈も可能であることに注意せよ。 4 は、 ансожу̂т の現在時制形によって、 「全員靴を脱ぐ」 という事象が規則として現在も適用され続けていることが表されていると解釈できる。 このような現在時制の用法は、 日本語の 「~することになっている」 に相当すると考えると理解しやすいかもしれない。
#TTB.未来
現在時制は、 その文が産出された瞬間より後に成立するだろう出来事も表す。
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бо̀ による命令表現では専ら現在時制が用いられるが、 これは命令内容が実際に実現するのは未来であるためである。
#TPY.時間によらない不変事実
#TPH.叙述の現在
#TTC.過去時制
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