Avendia19
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日記 (2020 年 1 月 10 日)

七十人訳聖書 (旧約聖書のギリシャ語訳) の 『創世記』 を読みます。 前に 『原論』 を読んだときとは違い、 活用形や文解釈に関する解説は最低限に留めます。

ἀρχῇ < ἀρχή 「初め」。 これは英単語の archaic や archeology などの arch- として残っています。

οὐρανὸν < οὐρανός 「天」。 英単語 Uranus 「天王星」 の直接的な語源です。

γῆν < γῆ 「地」。 geometry や geology の geo- として残っていますね。

ἀόρατος 「見えない」。 ὁρατός 「見える」 に - (否定の接頭辞) が合成されたもので、 ὁρατός は動詞の ὁράω 「見る」 から作られた動形容詞です。

ἀκατασκεύαστος 「準備できていない」。 - (否定) と κατα- 「完全に」 と σκεύαστος 「準備できている」 の合成語になっていて、 σκεύαστοςσκευάζω 「準備する」 の動形容詞です。 ギリシャ語はこのような合成語を結構どんどん作るっぽいので、 パッと分解できるようになりたいものです。 ちなみに、 動形容詞は受動相アオリスト時制に出てくる語幹の形に -τος/-τη/-τον を付けて作られますが、 σκευάζω の受動相アオリスト時制形は ἐσκευάσθην なので、 σκεύαστος という形になっています。

σκότος 「闇」。 これははちょっと変わった単語で、 男性名詞のときは第 2 変化をし、 中性名詞のときは第 3 変化をします。 ここだけではどっちか判断できませんが、 1.4 で σκότους という第 3 変化の属格形が出てくるので、 『創世記』 では中性名詞として扱うようです。

πνεῦμα 「霊」。 これ以外にも 「空気」 や 「呼吸」 の意味があり、 この単語由来の英語の pneumo- は空気や肺を表す接頭語になっています。

ὕδατος < ὕδωρ 「水」。 hydrogen などの hydro- ですね。 単数主格形が ὕδωρ であることを除けば、 語幹が ὕδατ- の第 3 変化中性名詞の曲用をします。

ἐπεφέρετο < ἐπιφέρω 「上を覆う」。 これは ἐπι- 「上に」 が φέρω 「運ぶ, もたらす」 に合成されたものです。 φέρω は形が全く異なる 3 つの語幹をもっていて、 以下の表のようななかなかアクロバティックな活用をします。 現在時制形の φέρω は transfer や periphery などにある -fer や -phery の部分と語源関係があり、 未来時制形の οἴσω は use と語源関係があるようです。

φέρω
直.能.現φέρω
直.能.未οἴσω
直.能.ア1ἤνεγκα
直.能.完2ἐνήνοχα
直.中.完ἐνήνεγμαι
直.受.ア1ἠνέχθην

εἶπεν < λέγω 「言う」。 λέγω も全く異なる 3 つの語幹をもっている上に、 1 つの時制に形が 2 つあったりします。 かわいいよね (やめてほしいけど)。

λέγω
直.能.現λέγω
直.能.未λέξω, ἐρῶ
直.能.アἔλεξα, εἶπον
直.能.完1εἴρηκα
直.中.完λέλεγμαι, εἴρημαι
直.受.ア1ἐλέχθην, ἐρρήθην

γενηθήτω, ἐγένετο < γίγνομαι 「生まれる」。 これは能動相欠如動詞で、 アオリスト時制を除いて中動相と受動相の活用形のみをもちます。 これ原形が全然分からなくて泣いてました。 ちなみに、 英語の genesis や generate などの gen- と語源関係があります。

γίγνομαι
直.中.現γίγνομαι
直.中.未γενήσομαι
直.中.アἐγενόμην
直.能.完2γέγονα
直.中.完γεγένημαι
直.受.ア1ἐγενήθην