日記 (新 4 年 6 月 10 日, H1265)

最近、 辞書には 「数量を表す」 としか書かれていないなど、 laila の用法が曖昧になっていることに気づいたので、 しっかり明文化しようと思います。

まずは ila です。 最も基本的なのは、 比較表現において差異の度合いを表す用法です。 数値だけでなく倍数でも問題ありません。

ちなみに、 この用法の ila は、 この文章を書いた直前までは la を使うのが正しいと文法書などに記載されていました。 これを書きながら、 ここでの数量を表す句は、 動詞を修飾しているのではなく、 比較内容である形容詞を修飾していることに気づいたためです。 したがって、 la を使うのは誤りです。

salat a tel e alot omic ila mulôt il'15 ni a ces.
私は彼より 15 cm 背が高い。
salot a doldaz e dôg omic ila vâl 80 ni a laxol.
ゾウは人間より 80 倍重い。

ilail'ic' の縮約前の形に出てきますが、 これらが縮約されずに使われることは非常に稀です。 しかし、 上記のような比較表現のときなど、 ila 句が名詞を修飾しない場合は、 縮約形は使えません。

feges a tel e sakil avôl ila lêk 10 ni lesit.
リンゴをミカンより 10 個多く買った。

ila の用法は以上です。

次に la の用法ですが、 動作の規模などを表すものがあります。

vilises a tel te saq la nolôt il'50.
私は今日 5 km 走った。

他に、 動作の回数を表すことができます。

vomes qorasos a tel ca ʻamerikas la cav 9.
私は 9 回アメリカに旅行したことがある。

la の用法はこれだけです。 少し前に、 「5 人で~する」 の 「5 人で」 の部分を la 句で表現できるのではないかと思ったのですが、 少し違和感があるのでこの用法は却下しました。

ということで、 辞書にこのことを記載しておきます。