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数詞の種類と作り方

シャレイア語の数詞には、 動詞型不定詞のものと名詞型不定詞のものがある。 動詞型不定詞の数詞は常に形容詞として用いられ、 他の文法的品詞の用法はもたない。 名詞型不定詞の数詞は名詞として用いられる。

動詞型不定詞の数詞は、 各桁の数字を表す形態素と位取りを表す形態素を適切に組み合わせることで作られる。 例えば、 17 を表す動詞型不定詞の数詞は、 1 を意味する tis に 10 を表す et を付け加えた tiset と、 7 を意味する sez を組み合わせ、 tisetsez となる。 なお、 動詞型不定詞の数詞は常に形容詞として用いられるので、 文中ではここで作った語幹の前に形容詞を表す接辞 a が付けられた形で現れる。

名詞型不定詞の数詞は、 対応する動詞型不定詞の数詞を名詞化アプラウトすることで作られる。 例えば、 17 を表す名詞型不定詞の数詞は、 対応する動詞型不定詞の数詞である tisetsez を名詞化アプラウトして、 tisetsiz となる。

このページはあくまで数詞の用法について説明するためのものなので、 数詞の詳しい作り方や表記法に関しては解説しない。 これに関しては、 文法書の該当項目などを参照すること。

以降の説明では、 動詞型不定詞の数詞を形容詞として使ったもののことを 「数形容詞」 と呼び、 名詞型不定詞の数詞を名詞として使ったもののことを 「数名詞」 と呼ぶことにする。

数形容詞の用法

基本用法

動詞型不定詞の数詞は、 基本的に ile + 単位名詞 + 数形容詞という形で現れる。 例えば、 17 を表す数詞の形容詞形である atisetsez と長さの単位である 「メートル」 を意味する lôt を使えば、 ile lôt atisetsez という ile 句ができ、 これで 「17 m の」 という意味になる。 この ile 句は形容詞や副詞などを修飾して、 その修飾語の程度を表す役割をもつ。 例えば、 「高い」 という意味の形容詞である ahiq に今作った ile lôt atisetsez を修飾させ、 ahiq ile lôt atisetsez とすれば、 これで 「17 m の分だけ高い」 もしくは 「17 m の高さの」 という形容詞句ができる。

「1 m 70 cm」 のように複数の単位がある場合は、 単位名詞 + 数形容詞の形を対応する分だけ複数作り、 それらを o で繋げる。 o で繋げる順番は自由だが、 大きい方の単位ほど前に置かれることが多い。 なお、 この o はしばしば省略される。

ここで注意すべきなのは、 単位名詞 + 数形容詞という形だけでは、 単に抽象的な長さや重さなどの量を表すのみで、 具体的な実際のものは指さないという点である。 例えば、 tef avon は 「9 時間」 の意味ではあるが、 正確には 9 時間という抽象的な時間の長さを表しているのであって、 9 時間の長さのある具体的な期間を指しているわけではない。 したがって、 「9 時間眠った」 と言いたい場合に、 「9 時間」 の部分を teku tef avon のようにすることはできず、 「9 時間の長さの時間だけ」 と考えて teku lôk avôl ile tef avon とする必要がある。

ile 句が修飾する形容詞としては、 基本的にその尺度が大きいことを意味する単語を用いる。 例えば、 高さを表現するのであれば 「高い」 を意味する hiq を用いるし、 長さであれば 「長い」 を意味する lot を用いる。 しかし、 尺度が小さいことを意味する単語を用いることもでき、 その場合は、 その尺度の大きさが何らかの基準よりも小さいというニュアンスが特別に加わることになる。

基数と序数

ものの個数を表したいときは以下のようにする。 まず、 ile + 単位名詞 + 数形容詞という基本形において、 単位の部分に 「個」 を表す lêk を用いる。 さらに、 ここでできた ile 句を 「多い」 を意味する avôl に修飾させ、 avôl ile lêk + 数形容詞という形にする。 これを名詞に修飾させれば良い。 すなわち、 「~個の分だけの多さの」 という形容詞句を作り、 これで 「~個の」 を意味するわけである。

ただし、 個数を表す表現は頻出するため、 avôl ile lêk を縮約した al' という形で用いられることがほとんどである。 縮約する前の avôl ile lêk の形は、 個数を特別に強調したい場合や、 後述する 「~個以上」 や 「~個以下」 のような表現をしたい場合に限って現れる。

ものの順番を表したい場合も同様の表現になる。 この場合、 単位として 「番」 を意味する cav を用い、 ile 句は 「次の」 を意味する cál に修飾させる。 結果的に acál ile cav +数形容詞の形になる。 直訳すれば 「~番の分だけ次の」 となり、 これで 「~番目の」 という意味を生み出していることになる。

この形にも縮約形があり、 acál ile cav の部分が ac' に縮約される。 縮約前の形は、 順位を強調したい場合や、 「~番以上」 や 「~番以下」 を表現したい場合に限って現れる。

比較表現との用法

優劣表現で用いる emicile 句を修飾させることで、 比較されているものの程度の差異がどのくらいかを数値で明確化することができる。

この表現において、 単位として 「倍」 を意味する vâl を用いれば、 程度の差異を倍数で表現することができる。

最上表現で用いる ehiv に、 単位として 「番」 を意味する cav を用いた ile 句を修飾させると、 上から何番目かを表す表現を作ることができる。

「以上」 や 「以下」 の表現

数量表現で用いる le の代わりに、 以下の表に示す levo, lehi, lede, letu を用いることで、 「以上」 や 「以下」 を表現することができる。 表では、 le 句の中にある数詞が表す数を A で表している。

単語意味
levoA 以上, A
lehiA 超過, A
ledeA 以下, A
letuA 未満, A

例えば、 ile dok atis は 「1 kg の」 だが、 iletu dok atis とすれば 「1 kg 未満の」 となる。

個数や順位に対して 「以上」 や 「以下」 の表現をしたい場合は、 縮約前の形を用い、 le を上の表の中の適切な助接詞に変えれば良い。

「以上」 や 「以下」 の表現において、 数が大きくなると、 その数を含むか含まないかが重要でなくなる場合がある。 例えば、 「500 人以上が所属している」 という文は、 多くの場合で 「500 人以上」 と言っても 「500 人より多く」 と言っても伝えたい内容は変わらない。 このような場合は、 等号を含む方、 すなわち levolede の方が使われる。

数名詞の用法

数名詞は、 その数そのものを表す。 例えば、 17 に対応する数名詞である tisetsiz は 「17」 という数そのものを表す。

その他の数詞を用いた表現

日付

日付には序数を用いる。 例えば、 「8 月」 と言いたいのであれば、 「8 番目の月」 と考えて ben ac'8 とすれば良い。 「8 月 12 日」 などのように、 年月日のうち 2 つ以上を言いたい場合は、 「8 番目の月の 12 番目の日」 と考えて taq ac'12 i ben ac'8 とする。 文法上 i の後ろの方が大きい単位になるので、 日→月→年の順番で言うことになる。 なお、 ここでの i は省略することができる。

日時表現で用いる 「年」 や 「月」 などを表す vácben は普通の名詞であり、 単位を表す名詞ではない。 そのため、 数詞が直接 vácben を修飾することはできず、 上で述べたように ac' を用いて序数表現にして修飾する。 また、 「年」 や 「月」 を ile 句の中で単位として使いたい場合は、 別の単語である latváclatben を使うので、 混同しないよう注意すること。

年月日の各数をカルタックで区切って並べることでも、 日付を表現することができる。 普通に日付を言うときと同じように、 数は日→月→年の順番で並べる。 また、 年は 4 桁に、 月と日は 2 桁になるように、 桁が足りない場合は 0 を付け足して表記するのが普通である。 例えば、 「2018 年 8 月 12 日」 は 12:08:2018 と表記される。

この記法を読むときは、 それぞれの数に対応する名詞型不定詞の数詞の綴りで読む。

時刻

時刻を表現するときは、 特殊な名詞である tat を用いる。 この tat は、 形式的には 「その日の 0 時からいくらか時間が経過した後の瞬間」 という意味で、 どのくらい経過したのかを ile 句で指定できる。 これにより、 例えば tat ile tef 23 とすれば 「その日の 0 時から 23 時間経過した後」 の意味になるから、 「23 時」 の意味になる。

時だけではなく分や秒まで表現したい場合は、 ile 句で複数の単位を用いる場合に従って、 単位が大きい順に時→分→秒の順で言う。 例えば、 「14 時 20 分 52 秒」 は tat ile tef 14 meris 20 tît 52 となる。

日付の場合と同様に、 各数をカルタックで区切って並べて時刻を表現することもできる。 このとき、 数は時→分→秒の順番で並べ、 全て 2 桁になるように適宜 0 を付け足す。

回数

la tal al' + 数形容詞という形で回数を表すことができる。

この表現において、 al' + 数詞の部分は他の形容詞句でも良い。 例えば、 「たくさんの」 を意味する avôl に変えれば 「何度も」 という表現になり、 「次の」 を意味する acál に変えれば 「今度」 の意味になる。

al' の代わりに ac' を使えば、 「~回目に」 という表現になる。

なお、 la tal ac' + 数詞の形で 「~回目に」 を表現したとき、 これが意味するのは、 それが修飾する動詞の行為と同じ行為を何回か行ううちのその回数番目の行為である。 例えば上の例では、 「彼を見る」 という行為を何回か行っていて、 それの 3 回目が行われたときにその人が泣いていたことを表している。 何らかの一連の動作や手順のうちの 3 番目の行為が 「彼を見る」 であって、 それを行ったときにその人が泣いていたというわけではない。

ここで用いられる tal は普通の名詞であって、 単位を表す名詞ではない。 したがって、 数形容詞を直接 tal に修飾させることはできず、 ile 句の中で tal を使うこともできない。

動作の程度の明示

動詞を la 句で修飾することで、 その動詞が表す動作をどの程度の規模で行ったかを明示できる。 この la 句には数詞を用いた表現が置かれることが多い。

la 句は ile 句とは異なり、 単位 + 数形容詞の形を直接とることはできない。 したがって、 上の例文の la 句を la nolôt 50 とするのは誤りとなる。

なお、 la 句に数詞を含まない表現も可能である。