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母音連続の扱い

シャレイア語は基本的に二重母音を除いて母音の連続を嫌う。 そのため、 単語内で母音が連続して 2 つ出現することは、 固有名詞などの特別な場合を除いて存在しない。 しかし、 母音で終わる単語の後に母音で始まる単語が置かれると、 その 2 つの単語間で母音の連続が起こってしまう。 このような場合、 連続した母音の間に /l/ を入れ、 母音連続を避けることになっている。 この /l/ は文字の上では書かれない。

母音連続を避けるための /l/ は、 挿入される場合とされない場合がある。 以下にシャレイア語で母音連続が起こり得るパターンを挙げ、 /l/ の挿入が起こり得るかどうかを述べる。

母音連続のパターン

/l/ を挿入する場合

限定構文では、 限定節内で先行詞と同じものを指す名詞が消えるため、 その名詞に付随していた助詞だけが遊離した形で残る。 助詞は母音で終わるので、 この後に母音で始まる助詞 (a, e, i) が置かれると、 母音連続が起こる。

salnis などの一部の動詞では、 目的語に形容詞を置くことが許される。 このとき、 助詞の後に形容詞が置かれることになるが、 助詞は母音で終わり形容詞は母音で始まるので、 母音が連続する。

difvoc などの形容詞は従属節全体を修飾することができ、 その場合は従属節を作る接続詞の直後に形容詞が置かれる。 このとき、 母音で終わる接続詞の後に母音で始まる形容詞が置かれるので、 母音連続が生じる。

連結詞由来の接続詞は、 形容詞や副詞を繋げることがある。 このような接続詞は母音で終わるので、 次に来る形容詞や副詞との間で母音連続が起こる。

/l/ を挿入しない場合

固有名詞は母音で始まることがあるので、 それに付随する助詞との間で母音連続が起こり得る。 また、 母音で始まる固有名詞が接続詞で結ばれているときも、 母音が連続することがある。

これらの場合、 /l/ を挿入すると固有名詞を間違えてしまう (上の例では名前が elizabec なのか lelizabec なのか分からなくなる) 可能性があるので、 /l/ は挿入されない。 したがって、 上の例に出てくる a ʻelizabec の読みは /a.e.li.za.beθ/ であって /a.le.li.za.beθ/ ではない。

なお、 シャレイア語由来の固有名詞は全て子音で終わり、 外来語から音写する場合も母音で終わる場合は最後に s を加えるため、 固有名詞と次の単語との間で母音連続が起こることはない。

間投詞は基本的に母音で終わり、 さらに母音で始まることもあるので、 前後の単語と母音連続を起こす可能性がある。 特によく起こるのが、 yadu の後に補足や強調の意味で助詞句が加えられた場合である。

間投詞の前後には小休止が挟まれることが多いので、 母音が連続したと意識されることがあまりなく、 /l/ は挿入されない。

連続母音の読み方

以上のように、 母音が連続しても /l/ が挿入されない場合がある。 そのような場合、 どちらの母音も普通の母音と同じくらいはっきりと発音する。 ただし、 はっきり発音するとはいっても、 母音の切れ目をはっきりさせようとして /a.ʔa/ のように声門閉鎖音などの余分な音を入れる必要はない。 また、 二重母音として存在する組み合わせ (ai, ei, ie, au, eu, iu, oa, ua) が現れても、 二重母音のように 2 つ目の母音を弱化させることはせずに発音しなければならない。 例えば、 前述した例にある a ʻizabel を /aɪ.za.bel/ と発音してはならず、 /a.i.za.bel/ と /a/ と /i/ をはっきり区別して発音する必要がある。

また、 固有名詞の音写によって、 単語内で母音が連続する場合がある。 このとき、 i の後に母音がある場合は母音の間に /j/ を入れ、 u の後に母音がある場合は /w/ を入れ、 その他の組み合わせの場合は子音を何も入れずに発音する。 例えば、 ʻalisia (英語圏の名前 Alicia の音写) は /a.li.si.ja/ と読む。

/j/ や /w/ の挿入は、 単語内での母音連続の場合に限り、 単語間での母音連続の場合には起こらないので注意すること。 したがって、 i ʻalis の発音は /i.ja.lis/ ではなく /i.a.lis/ である。