日記 (2018 年 8 月 30 日)
今回から 2-圏における極限を扱っていこうと思う。 まずは簡単のため、 2-関手と 2-自然変換のみを考え、 一般の 2-弛緩関手や 2-弛緩自然変換については触れないでおく。
2-圏は
2-小圏
この定義中の同型の右辺は、
2-小圏
通常の圏における極限が普遍性をもつ錐で特徴付けられたのと同様に、 2-圏における 2-極限も普遍性をもつ柱として特徴付けられる。 ただし、 2-圏には 1-射と 2-射があるため、 普遍性も 1 次元的なものと 2 次元的なものの 2 つから成る。
2-小圏
- 任意の柱
に対し、 あるσ : W ⇒ [ A , F - ] の 1-射 が一意に存在し、 2 つの図式f : A → L は等しい。 ここで、 2-自然変換 Cat W [ A , F - ] η f ∗ Cat W [ A , F - ] σ は、f ∗ : [ L , F - ] ⇒ [ A , F - ] の各対象 に対し、I で定義されるものとする。( f ∗ ) I : [ L , F I ] ⟶ [ A , F I ] h ⟼ h ∘ f α ⟼ α ∗ f
このとき、
2-小圏
- 任意の柱
と任意の自然調整σ , τ : W ⇒ [ A , F - ] に対し、 あるΞ : σ ⇛ τ の 2-射 が一意に存在し、 2 つの図式α : f ⇒ g は等しい。 ここで、 Cat W [ A , F - ] η f ∗ g ∗ α ∗ Cat W [ A , F - ] σ τ Ξ の 1-射 はf , g の 1 次元的普遍性によりそれぞれη から得られるものとする。 さらに、 自然調整σ , τ は、α ∗ : f ∗ ⇛ g ∗ の各対象 において、 通常の自然変換I をもつが、 これは( α ∗ ) I : ( f ∗ ) I ⇒ ( g ∗ ) I : [ L , F I ] → [ A , F I ] の 1-射 に対し、h : L → F I で定義されるものとする。( α ∗ ) I , h := h ∗ α : h ∘ f ⇒ h ∘ g : A → F I
このとき、
簡単に言ってしまえば、 ある柱
さて、 この 2 種類の普遍性を満たす柱は 2-極限を定める。
2-小圏
- ある柱
が 1 次元的普遍性と 2 次元的普遍性をともに満たすならば、η : W ⇒ [ L , F - ] は存在し、lim W F が成り立つ。L ≅ lim W F が存在するならば、 圏の同型L := lim W F が成り立つが、 これにおいて[ L , L ] ≅ ⟦ W , [ L , F - ] ⟧ に対応する柱id L は 1 次元的普遍性と 2 次元的普遍性をともに満たす。η : W ⇒ [ L , F - ]
がともに成り立つ。
概略だけ述べる。
柱
次に、
参考文献
- G. M. Kelly (1989) 「Elementary observations on 2-categorical limits」 『Bulletin of the Australian Mathematical Society』 39:301–317