日記 (2020 年 2 月 3 日)

にゃーん。

δὲ πάντων ἀλογώτατον, ὅτι οὐδὲ τὰ ὀνόματα οἷόν τε αὐτῶν εἰδέναι καὶ εἰπεῖν, πλὴν εἴ τις κωμῳδοποιὸς τυγχάνει ὤν.
あらゆることのうちで不合理なことは、 彼らの名前を知って言うことができないことだ。 誰かが喜劇詩人に偶然ならない限りは。
δὲ πάντων ἀλογώτατονἄλογος不合理な|最.中.単.主, ὅτι οὐδὲ τὰ ὀνόματαὄνομα名前|複.対 οἷόνοἷοςできる|中.単.主 τε αὐτῶν εἰδέναιοἶδα知る|不.能.完2 καὶ εἰπεῖνλέγω言う|不.能.ア2, πλὴνπλήν~を除いて εἴ τις κωμῳδοποιὸςκωμῳδοποιός喜劇詩人|単.主 τυγχάνει ὤν.

ἀλογώτατον < ἄλογος 「不合理な」。 最上級形は ἀλογώτατος で、 -τατος を合成するときに母音が伸びます。 一般に、 -τατος や -τερος を付けて最上級形や比較級形を作るときに、 語幹の後ろから 2 番目の音節が短母音で直後に続く子音が 1 つ以外の場合、 語幹の最後の音節が長母音になります [S:§314]。 ギリシャ語は、 短母音の音節が連続するのが嫌いなようです。

οἷόν < οἷος 「ような, できる」。 基本的には英語の such as に相当する形容詞ですが、 不定法が続くと able に相当する意味になります。 特に、 οἷόν τε ἐστί という形か、 もしくは ἐστί が省略されて οἷόν τε という形で、 「~することができる」 を表します [X:οἷος-A.III.2]。

πλὴν < πλήν 「~を除いて」。 英語の except に相当する単語で、 属格支配の前置詞としても使えますし、 別の接続詞の前に置かれることもあります [X:πλήν-B.II]。 例えば、 今回の場合のように πλὴν εἰ とすれば、 「~である場合を除いて」 や 「~でなければ」 の意味になります。

κωμῳδοποιὸς < κωμῳδοποιός 「喜劇詩人」。 κωμῳδία 「喜劇」 と ποιέω 「作る」 と -ος の合成語です。 κωμῳδία は comedy の語源ですね。

文構造についてですが、 πάντων ἀλογώτατον が主語で、 ὅτι 以下がその補語です。

ὅσοι δὲ φθόνῳ καὶ διαβολῇ χρώμενοι μᾶς ἀνέπειθον, οἱ δὲ καὶ αὐτοὶ πεπεισμένοι ἄλλους πείθοντες, οὗτοι πάντες ἀπορώτατοί εἰσιν.
妬みや中傷を使って説得する人、 自身は確信して他人を説得する人、 彼らは皆手に負えない。
ὅσοιὅσος?|男.複.主 δὲ φθόνῳφθόνος妬み|単.与 καὶ διαβολῇδιαβολή中傷|単.与 χρώμενοιχράω使う|分.中.現.男.複.主 μᾶς ἀνέπειθονἀναπείθω説得する|直.能.未完.三単, οἱ δὲ καὶ αὐτοὶ πεπεισμένοιπείθω信じる|分.中.完.男.複.主 ἄλλους πείθοντεςπείθω説得する|分.能.現.男.複.主, οὗτοι πάντες ἀπορώτατοίἄπορος手に負えない|最.男.複.主 εἰσιν.

διαβολῇ < διαβολή 「中傷」。 δια- 「~を横切って」 と βάλλω 「投げる」 が合成された διαβάλλω 「横切る, 抽象する」 に、 さらに -η (抽象名詞を作る接尾辞) が合成されたものです。 -η の代わりに -ος を付けたのが διάβολος 「悪魔」 です。 これは英語の diabolic にもなっていますね。

文構造についてですが、 ὅσοι 以下と οἱ 以下が同格で οὗτοι に係っているとすれば良さそうです。 どうも ὅσοι が関係代名詞的な役割を果たしているようなのですが、 ὅσοι にそのような意味があるのを辞書で確認できませんでした。 どうなってるの?