Avendia19
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日記 (2019 年 8 月 13 日)

定義 14 です。

文頭の σχῆμά は、 -ατ 幹第 3 変化名詞の σχῆμα の単数主格形です。 -ατ 幹の第 3 変化は中性名詞に多く、 幹とほぼ同じですが単数主格形 (よって単数対格形と単数呼格形も) に語尾が付きません。

σχῆμα
単.主σχῆμα
単.属σχήματ-ος
単.与σχήματ-ι
単.対σχῆμα
単.呼σχῆμα
複.主σχήματ-α
複.属σχημάτ-ων
複.与σχήμα-σι
複.対σχήματ-α
複.呼σχήματ-α

文末には περιεχόμενον という形が出てきていて、 これは 8 月 11 日でやった中動相現在時制の分詞の形です。 実は、 未来時制とアオリスト時制を除いて、 中動相と受動相は同じ形です。 後で触れますが、 これを中動相とすると文意が通らないので、 ここでは受動相として使われていることになります。

それ以外に新しい要素はないので、 文構造の把握に移ります。

主格形の σχῆμά の後にコピュラ動詞の ἐστι が続き、 その後に τὸ となっているので、 これまでにあった表現から考えて、 σχῆμά が主語で τὸ 以下が補語と見て良いでしょう。

続く ὑπό は基本的に 「~の下に」 を表す前置詞です。 英語の hypothesis の hypo- に残ってますね。

この後の τινος ἤ τινων ὅρων ですが、 まず真ん中にある は or に相当する接続詞です。 その前には単数属格形の τινος があり、 後ろには複数属格形の τινων ὅρων があるので、 ここは全体で 「ある単数のもしくは複数の境界」 と解釈できます。 τινος の後に ὅρου が省略されているわけです。

最後に περιεχόμενον がありますが、 これは 「囲まれる」 という受動相の分詞でした。 ここまでに τὸ が係る中性名詞が存在しなかったので、 この περιεχόμενον が名詞として 「囲まれるもの」 という意味で使われてると考えると良さそうです。 また、 前に見た ὑπό には属格を支配して受動の行為者を表す用法があるので、 ここでの ὑπό の意味はこれが適切でしょう [§157]。 したがって、 τὸ 以降の補語は 「ある 1 つもしくは複数の境界によって囲まれるもの」 となります。

なお、 すでに述べたように、 περιεχόμενον は中動相の可能性がありますが、 「自分自身を囲むもの」 や 「互いに囲むもの」 では意味が通らない上に、 受動の行為者を表す ὑπό もあるので、 中動相ではないことが分かります。