Avendia19
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日記 (2598)

2594 の話とちょっと関連するんですが、 nis の意味についてです。

nis は動詞として使うと、 基本助接詞として a 句の他に ca 句と zi 句を取り、 主語が ca 句のもの (もしくは状態) から zi 句のもの (もしくは状態) に変化することを表します。 ca 句と zi 句には、 名詞の他にも動詞を置くことができます。

では、 「主語が ca 句のものから zi 句のものに変化する」 とは具体的にどういう意味なのでしょうか。 これまでは、 以下のように説明されると思っていました。 nisos a S ca Z zi T という表現をしたとして、 主語と ca 句のものと zi 句のものが順に S, Z, T であるとします。 このとき、 この表現の意味は、 「salot a S e Z」 という文が成立していた状況が、 「salot a S e T」 という文が成立した状況に変化したことを表します。

2 つ例を挙げましょう。

これはつまり、 salet a hîx e abig で表される 「空は青い」 という状況から、 salet a hîx e azaf で表される 「空は赤い」 という状況になったことを表します。 意図した意味通りですね。

この文には zi 句がないので、 変化前の状況が明示されておらず、 変化後の状況のみに言及していることになります。 その変化後の状況というのは、 salet a qasot e kaz で表される 「息子は大人である」 という内容です。

さて、 ここまでは nis の語法として問題はないと思います。 問題となるのは、 例えば 「この薩摩芋はお酒になる」 という文です。 何も考えずに nis を使って、 以下のように表現したとしましょう。

この文の意味を前と同じように考えてみると、 salit a yectem afik e korac という 「この薩摩芋はお酒だ」 という状況に変化することだとなりますが、 芋はお酒ではないので、 これは不自然です。 ということは、 このページで最初に言った nis の語法に則れば、 「この薩摩芋はお酒になる」 を nis で表現することはできないことになります。

「この薩摩芋はお酒になる」 というのは、 もともとあったもの (この例では薩摩芋) が何らかの加工を受けて、 全く別のものに変化することを表しています。 全く別のものになってしまっているので、 最初に述べた nis の語法に合わないわけです。

この問題に対応する 1 つの案として、 全く別のものになっていても良いとして、 nis の用法を広げるというものが考えられます。 実際、 別のものに変化しているのに nis を使っている表現を、 翻訳の中でいくつか作ってしまった気がするので、 この案を採用すれば、 すでにあるそのような文が非文にならずに済みます。 ただ、 この案には私は消極的です。 従来の意味である 「主語が ca 句のものから zi 句のものに変化する」 では 3 項を取ることになるわけですが、 「あるものが別のものに加工されて変化する」 では 2 項を取ります。 つまり、 この 2 つの意味は根本的に格組が違うわけです。 1 つの単語が 2 種類以上の格組を取ることは避ける慣習があるので、 この案には消極的というわけです。

そうなると、 動詞を分けるしかありません。 実は、 「変化する」 を意味する動詞は nis の他にも nisel というものがあって、 こちらを使うと nis よりも 「変化」 ということそのものに重点が置かれることになっています。 そこで、 全く別のものに変化する場合は nis ではなく nisel を使うことにすれば、 この 2 つの単語の使い分けも明瞭になりますし、 ちょうど良いのではないでしょうか?

ということで、 既存の nisnisel が使われた文を確認して、 今述べたような使い分けにして問題ないようであれば、 そうすることにしようと思います。 確認は後日やります・・・。