動辞の名詞用法の否定形

動辞の名詞用法の否定形は常に 「~しないこと」 の意味になり、 「~することではないこと」 の意味にはならない。 すなわち、 動辞の名詞用法の否定形は、 否定された動詞の意味を名詞的に捉えたものであり、 動詞を名詞的に捉えたものの否定ではない。 例えば、 duvilis は常に 「走らないこと」 を意味し、 「走ることでないこと」 を意味することはない。

動辞の名詞用法を用いて 「~することではないこと」 を表したいのならば、 zel iqo S などと表現すれば良い。

名詞の否定形のニュアンス

名詞の否定形は、 単にその名詞で表されるもの以外のものを指す以上に、 「そうであるという前提があったときにそこに反論する」 というニュアンスが加わる。

qetet te tazît vo sokul afik a duces.
昨日この部屋にいたのは彼女ではない。

この文は、 例えば、 その場にいる人に 「昨日この部屋にいたのは彼女だ」 と思われている状況で、 それに反論するときに最適である。 そもそも 「昨日この部屋にいたのは彼女だ」 と思われてはいない状況であれば、 名詞の否定形である duces が使われるのは稀である。

このニュアンスを特別出したくない場合は、 単に zis aqôc ile Szat iqo S などの表現を代わりに用いる。